BACK

名車 ”Double Six”についてのひとり言

現代の車とクラッシックカーとの中間に位置し、本格的な手作りの最後の名車!! だが「壊れる」との悪評が有ったジャガー、ディムラーのうちこれはしばしば本物のダブルシックスでない事が多い。
@ 
その殆んどはユーザーが大切に所有していて、とても綺麗な状態であった為、心無い中古車業者が簡単に戻す事が出来るスピードメーターで偽りのキロ数で販売して流通させてしまった事が多々有りました。
(その数は7割とも8割とも云われている)35,000kmのDD6が実は25万キロだったり、40,000kmが実は180,000kmだったり、3〜4万キロでは有り得ない壊れ方がするのは当然の事です。

そんな物への評価は本物と云えるでしょうか。
ひどいものは記録簿の改ざんも有ったりします。他の車でもこの現象はあります。
が然し、ジャガー、ディムラーは上記の理由から特に狙われ易かったのです。
A 
輸入総台数が少ないので仲々日本向けとして改良してくれていない。但し、1984年位迄は確かにオーバーヒートもしたりひどい状態が有りましたが1985年以降どんどん改良され、1993年モデル迄オーバーヒートと云うのはクーリングシステムの目ざましい進歩に依って、他の車よりむしろ「焼けないエンジン」になりました。

70年以上の歴史を持つV12総アルミのエンジンはベルトが切れた、水が無い、電動ファンが動かない、サーモスタットがパンクした等が無い限りオーバーヒートは有り得ません。
ジャガー、ディムラーだけの様に大変誤った情報が有りますが、それはクラウンでもメルセデスでもBMWでも全く同条件であります。
B 
ジャガーだけが特に悪評が強かったのは他にも理由が有ります。
それは、1980年代から1990年代初期に於いて、その頃には多大な台数を捌くには販売力やサービスネットワークのぜい弱さが有ったのに、ジャガーカーズ社よりの要望が大幅な台数増を強いられ、バブル期でもあった為、調子に乗り販売力量以上のジャガー、ディムラーを日本に仕入れてしまい、その結果、横浜の港の保税倉庫に長期間(英国で生産された後1〜3年)経過して販売時引取られたジャガー、ディムラーもかなり有りました。

皆様も御存知の様に、車は1年でも全然動かさない・・・というのは各部の錆のみならず、ブッシュ類のへたりやゴム類の劣化や常に同じ側だけに力が係っている為の機械類の変型、等々最悪の状態を引き起します。

メーカーと云うのは何しろ台数ばかりでジャガー、ディムラーの様な大型の2デザイン、2サイズ(XJセダン、XJS)ではメルセデスやBMWの様に190Eや3シリーズから、500、600、750、各々のクーペ等、小から大迄多くのバリエーションが有り、台数をこなすことが出来るメーカーとは大きく異なります。

従ってメーカーの要求を受け入れて続けてゆく事は、前記の様な大きな歪みが生じてしまいます。無論ディーラーはそのままで納車する訳ではありません。
然しながら、生産された直後の状態には戻し切れるものでもありません。
C
それがユーザーの手に渡り乗り、使いながらでないと不具合箇所が出て来ない部分も多く有り、トラブルの元になりましたが、当時のサービスネットワークはメルセデス等のそれに比して決して充分ではなかったと思います。
対応の遅さ、設備や部品等の準備が悪く、同じ事が起きてもメルセデス他より非常に悪いイメージを与えてしまったのです。
D 
結果として、ユーザーの皆様より2通りの評価を頂く事になりました
 a.
1年間のクレーム期間にその都度悪い状態を辛抱強く修理させて下さった結果、しっかりとしたジャガー、ディムラーになりトラブルが 出にくくなり、とても満足し非常に可愛がって今迄持ち続けて下さっておられたユーザー20年以上のワンオーナー、2オーナー車はこの方達にあてはまると思います。
 b, 
もう一方のユーザー様はクラシックカーや飾る為の車でない、日常おちおち乗っていられず修理工場ばかり入っているのは車ではない。やめた!!
・・・こう思われるのは当然の事です。そして、ジャガー、ディムラーはダメだ壊れる!という事になってしまうのです。

かなり多くの車が1年の保証整備を受ける前に取り替えられてしまったと思います。
かく云う小生もトライアンフUJMから日通商事太洋モータース→新東洋→レイランド→オースチンローバージャパン(ジャガージャパンの前身)→アーデンジャガージャパン→バランスと55年余をジャガーディムラーを始め欧州車:米国車のディーラーも歩いて来たので、その辺りの苦労(苦情を頂く事)や栄光は充分、肌で感じて来ました事も付け加えます。


E 
一旦、仕上ってしまったジャガー、ディムラーは
他の車では絶対に味わえない素晴らしい「」と「感性」を与えてくれるのです。

近頃ではメルセデス、BMW達は20数年前のものは中古車屋でも街中でも余り見かけなくなりました。

然し、ジャガー、ディムラーは現在の年式の車と一緒に並んでいる事が多いのです。
F 
今、一番新しいDD6で23年前の車、古くは30年位前のものも市場に出回っています。

これを通常問題無く快適に使う・・・これには以下の事が絶対不可欠であります。

そのDD6をきちんとした整備をしない状態のままでのDD6をお使いになった時、誤った悪い評価を与えないで欲しい・・・と切に願うものであります。
A
本当の走行キロ数を特定する
(3〜4万キロと云う事が実は10万キロ、25万キロ走っている。これでは度々壊れる、不具合が出る、これは当然です)
B
無論の事、大事故車(一般に云う修復歴有り)は絶対に避ける
C
過去の
整備状態を記録簿等を把握する
正当に(引越し等で紛失等)これらの書類が無い場合は詳細証明等を取得し、前のユーザーに直接話を聞いて確認する。
D
自分がそのダブルシックスに「どれだけ思い入れ」を出来るかを良く考え、相談する。
E
どの様な用途と、考え方で使いたいか

例えば、日常の足、全てをこの1台で、ドライバーが色々代わる、工場でメンテナンスをする時間が無い、車の事は全然分からないし、知ろうとも思わない、楽しみで乗りたい、とても細かい処が気になる、型が好きなだけ、評判だけで判断する、回りにDD6に対する適切なメンテナンスをするところがない、適切なアドバイザーが居ない、長期間持ちたい、短期間で 次の車に乗り換えたい、等々の時はしっかりとご相談頂き本当にDD6が良いのかをを見極められた方が良いです。
G
結論的に申しますと、これだけの名車と云えども古い車、故に上記を踏まえ、
程度の良いDD6に精通した工場で適切な整備を惜しみ無くしっかりと施してから乗られるべきと確信致します。



自動車評論家でも無い小生が諸先輩方に稚拙な知識と笑われながらも、これから「ダブルシックスを持ちたいな」とお考えの方に少しでも御参考にして頂ければと、思い付くままに申し上げさせて頂きました。
前記に述べた事を証明したく、日々努力致してゆく所存でございます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

                            
                            DD6専門店22周年にて
                                                       平成28年1月
                                                       有限会社  バランス
                                                      代表取締役  熊谷 正興